子宮筋腫があっても流産・早産は適切に予防処置できる!
子宮筋腫(きんしゅ)は、本来は40歳代の女性に多い疾患だが、最近は妊娠・出産を考える若い年代で悩むケースが増えているという。
子宮筋腫は、女性ホルモン(エストロゲン)によって大きくなるとされる。月経の始まる初潮年齢が、数十年間で1〜2歳下がり、女性ホルモンの分泌が始まる年齢も早くなったことなどが、若い世代に患者が増えた背景と考えられているようだ。
子宮筋腫は妊娠・出産にどのような影響を与えるのか。
筋腫の位置や大きさによっては、不妊の原因になる。子宮内部を変形させ受精卵が着床しにくい、卵管を圧迫して受精を妨げる、といった場合だ。子宮筋腫以外に不妊の原因が見あたらなければ、筋腫の部分だけを摘出して子宮は温存する「核出手術」をする。
不妊を起こさない場合でも、妊娠中につらい症状を引き起こすことがある。
東京都世田谷区の主婦B子さん(38)は2000年夏、妊娠18週を迎えた朝に突然、腹痛に襲われた。そして、流産になりかけている「切迫流産」と診断された。
原因は子宮筋腫だった。妊娠前に2・5センチ程度だった筋腫が、5〜6センチになっていた。妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増えるため、子宮筋腫が急速に大きくなることがある。
一方、母体は胎児や胎盤に酸素や栄養を送ろうとするため、子宮筋腫への血流は悪くなる。すると、子宮筋腫の細胞が変化(変性)して壊死(えし)などが起こり、痛みや感染の原因になるほか、子宮を収縮させる物質がつくられ、流産や早産を招く恐れがあるのだ。
入院し、子宮の収縮を抑える薬や抗生物質を点滴、いったん退院した。だが、妊娠27週目に発熱や痛みが起こり、再入院。安静を続け、翌年1月、ほぼ予定日通りに無事長女(6)を出産した。
公園で遊ぶのが好きな長女は今春、小学校に入学した。B子さんは「入院中、痛みもつらいし、不安も大きかったですが、乗り越えてよかった」と振り返る。
妊娠中のトラブルには、このほか〈1〉子宮の上部にできた筋腫が巨大化し、肺を圧迫して呼吸が苦しくなる〈2〉産道をふさぐなどで帝王切開になる〈3〉胎盤が筋腫を覆うように付着している場合、赤ちゃんの発育が悪くなる――などがある。
もっとも、子宮筋腫があっても、異常なく妊娠・出産する人は多いという。B子さんも二女(3)出産の際は、何の支障もなかった。
愛育病院(東京都港区)産婦人科部長は「子宮筋腫が妊娠中のトラブルを招くかどうか確実に予測することは難しいが、様々な可能性を考えた対処はできる。たとえ流産や早産の恐れがあっても、適切に処置すれば多くは無事に出産できる。むやみに子宮筋腫で心配しないでほしい」と呼びかけている。
<子宮筋腫の変性>
筋腫がある程度の大きさ(4〜5センチ以上)になった時に起こりやすい。筋腫が急激に大きくなる妊娠中のほか、血流が悪くなる更年期以降にも起こりやすい。
今、何位でしょう?
