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潰瘍性大腸炎 薬と食事で症状を抑制


東京都小金井市の元派遣社員A子さん(27)は昨年10月、職場でおなかが痛くなってトイレに駆け込んだ。

 1時間に1回程度、断続的な便意があり、その都度トイレに走った。夜には悪化。大腸が絞られるような腹痛に襲われ、便には黒い血が混じり、一晩中トイレから出られなかった。

 翌日、社会保険中央総合病院の内科を受診した。内科医は、A子さんに海外渡航歴や食べたものなどについて尋ね、感染による腸炎ではないと判断。数日後、内視鏡検査を行うと、大腸全体に潰瘍(かいよう)やただれが広がっていたため、「潰瘍性大腸炎」と診断した

 潰瘍性大腸炎は、腹痛や血便を繰り返す病気で、病原菌から体を守るはずの白血球が、自らの大腸の粘膜を攻撃する「免疫異常」が一因と考えられている。20歳代で発症することが多い。潰瘍性大腸炎は、発症すると根治は難しいと考えられている

 A子さんは「潰瘍性大腸炎の友人がいたので、まさか自分がと驚きました。『治らない』とも聞いていたので、ショックで、職場や親になんて報告したらいいか、気が重くなりました」と話す。

 A子さんは入院し、潰瘍性大腸炎の炎症を抑える治療薬の「5―アミノサリチル酸製剤」を飲み、数日間絶食して腸を休ませた。腹痛や下痢は徐々に止まり、約2週間後に退院した。

 潰瘍性大腸炎の症状は落ち着き、仕事にも復帰した。ところが今年2月、また激しい腹痛に襲われ、血便が出た。再入院を勧められたが、仕事を休めず、強力な炎症抑制作用があるステロイド剤を約3週間服用した。

 炎症は治まっても、再びいつ悪くなるのか分からない。潰瘍性大腸炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返すため、薬物などで良い状態を保つのが治療の基本だ

 A子さんは、通院で仕事を休みがちになり今年3月、派遣先から契約を切られた。潰瘍性大腸炎により頻繁な便意や腹痛で仕事が続けられなくなる人も多い。A子さんは「仕事や結婚など将来のことを考えると不安になります」と話す。それでも、潰瘍性大腸炎患者の7〜8割は、適切な治療や食事で、良い状態を保つことができるという。

 約30年前に1000人に満たなかった潰瘍性大腸炎の患者数は、現在、8万5000人以上に増えた。食の欧米化の影響が指摘されるが、はっきりした理由は分かっていない。国などが医療費を補助する「特定疾患」の認定は、潰瘍性大腸炎の患者数が増加したため、見直しが検討されているという。


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