前立腺ガンは治療法を理解してから受診せよ!
東京都国分寺市の歯科医師、Hさん(76)は、健康診断がきっかけで前立腺ガンが見つかり、昨年6月、神奈川県相模原市の北里大学病院で、放射線治療を受けた。
前立腺は、男性の尿道付近にあるクルミ大の臓器。まず入院して3日間、前立腺に針を刺し、内側から放射線を当てた。
退院後、翌週から2週間、計10回通院し、今度は体外から前立腺ガンに放射線を照射した。翌月には仕事に復帰した。
「体に負担の大きい手術より、放射線を」と望んでいたHさん。当初は、新聞などで目にした「放射線を出すカプセルを埋め込む治療」を思い浮かべていたが、実際に受けた前立腺ガン治療は違った。「放射線治療にも様々なやり方がある、と驚きました」と話す。
泌尿器科講師によると、前立腺ガンの放射線治療には主に3通りの方法がある。
一つは放射線を外から当てる外照射。同病院では三次元照射といって、様々な方向から前立腺ガンに照射する。
次に、一昨年9月に日本に導入された小線源治療。放射線を出すヨウ素のカプセル(長さ4・5ミリ)を60〜100個、前立腺に埋め込む。半年ほどで放射線は出なくなるが、カプセルは取り出せないため、「永久挿入」と呼ばれる。
前立腺ガンを持つHさんが受けたのは、同じ小線源治療でも、イリジウムという放射性物質を用いた方法で、前立腺に3日間、放射線を発する十数本の針を刺す。
弱い放射線をじわじわと放つ永久挿入法は、早期ガンに適しているとされ、やや進んだガンでは、外照射を併用する。一方、イリジウム小線源は、強い放射線を集中的に当てることができ、中程度の進んだガンでも効果が期待できる。いずれも保険が適用される。
前立腺ガンのHさんは、ガンが中程度に進み、イリジウムの小線源治療となった。
同病院では昨年、これら放射線治療と手術の計4種類の前立腺ガン治療の実施件数が、それぞれほぼ同数だった。患者と医師が、適切な治療法について話し合った結果と言える。
だが、放射線治療を実施していない医療機関などでは、前立腺ガン患者に的確な治療の選択肢が示されない恐れもある。様々な放射線治療を念頭に、主治医以外の医師の意見も聞いたほうがよさそうだ。
今、何位でしょう?
