糖尿病の合併症の増加と大きな課題とは?
前回は糖尿病がとても恐い病気であることを書いた。糖尿病は、初期にはほとんど自覚症状が出ないため、治療を受けずに放置している場合が多く、その結果、糖尿病の病状が悪化し、網膜症で年間約3500人が失明し、腎症で年間1万3900人が新たに人工透析を受けているのが現状である。。
また、2002年度の厚生労働省の調査で、糖尿病患者の15.8%が心筋こうそく、15.6%が神経障害、15.2%が腎症、13.1%が網膜症、7.9%が脳こうそくを、それぞれ合併症として発症していることがわかった。
このように無治療、不完全な治療や治療中断による糖尿病の合併症の増加は、わが国の大きな課題になっており、医療費の増大にもつながっている。
2003年度の国民医療費31兆5000億円の中で、生活習慣病にかかわる医療費は10兆2000億円と約30%を占め、この中で糖尿病及び直接的な合併症による医療費は1兆9000億円になっているという。
これに加えて脳血管疾患、虚血性心疾患、高血圧性疾患の発症者の中には、糖尿病に伴う動脈硬化に起因する疾患も相当含まれているものと考えられる。
このため、当時の厚生省は、1996年度に従来の成人病と呼ばれていた糖尿病、肥満などの発症原因として、遺伝因子に加えて食事、運動などの生活習慣が深く関連していると考え、生活習慣病という考えを示した。
西暦2000年度には、身体活動・運動や栄養・食生活など生活習慣の改善によって、糖尿病や高血圧、動脈硬化症など生活習慣病の発症を予防をしたり、健康寿命(自立した生活を送れる状態)の期間をのばしたりすることを目指した「健康日本21」が策定された。
また、「健康日本21」の実施に対し、法律面からもサポートする「健康増進法」が、2002年7月に制定された。これ以外に日本糖尿病学会でも、2004年から総合的な糖尿病対策を具体的に実施するために、「対糖尿病戦略5か年計画」を策定した。
さらに、2005年2月には糖尿病の対策を、全国的に確立することを目標に日本医師会、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会の3者で「日本糖尿病対策推進会議」を設立した。この設立により糖尿病専門医だけではなく、かかりつけ医(一般開業医)、栄養士、患者さんとの連携体制、協力体制をより一層強化することになった。
愛知県でも、医師会、糖尿病学会、糖尿病協会の3者が集まり、「愛知糖尿病対策推進会議」を2005年に設立している。今後、糖尿病の早期発見、発症予防、合併症予防を目指して頑張っていくことにしているという。
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