糖尿病に気付くきっかけとは?
糖尿病は、すい臓から分泌されるはずのインスリン(糖質、脂質、たんぱく質など、すべての栄養素が利用されるために必要なホルモン)の作用が不足することによって、ブドウ糖などが体内で利用できなくなり、血液中にオーバーフローして、高血糖を招き、尿から糖が出る病気である。
急激にインスリン作用不足が進行した場合、まれに糖尿病昏睡(こんすい)状態となり、手当を間違えば(糖尿病昏睡であることに気づかず、脳卒中などと誤診し、ブドウ糖をさらに点滴してしまうこともある)、死亡する危険性も高い怖い病気である。
ほとんどの場合、インスリン作用不足は、少しずつ進行するので、自覚症状のないことがほとんどだ。しかし、糖尿病の治療を受けずに高血糖の状態が長期間続くと、糖尿病網膜症で失明(年間3500人)することもあるし、糖尿病腎症で人工透析が必要(年間13900人)になったりする以外に、手足がしびれてきてり冷たく感じる糖尿病神経障害を引き起こすこともある病気である。
また、糖尿病患者は一般人と比較して、動脈硬化症が10〜15年早く進行し、心筋こうそくや脳こうそくを引き起こす可能性も否めない。さらに、糖尿病壊疽(えそ)で足や足の指が腐り、切断しなければならないこともある。
厚生労働省の「2002年糖尿病実態調査」によると、糖尿病患者は740万人、予備軍患者は880万人の合計1620万人もいるという。5年前の同調査と比較して、実際の糖尿病患者で約50万人、予備軍患者で約200万人増加し、この30年間では、20〜30倍も増加している。
糖尿病治療の目的は、食事療法、運動療法、薬物療法を行うことで糖尿病の症状を取り除くだけではなく、糖尿病特有の急性合併症(糖尿病昏睡)や慢性合併症(網膜症、腎症、神経障害、えそ、心筋こうそく、脳こうそくなど)の発症と悪化を防止し、健康な一般人と同じような日常生活の質を維持し、健康な一般人と変わらない寿命をまっとうすることにある。
しかし、現在、実際に治療を受けている糖尿病患者は全体の約半数に過ぎないという。この記事を見て、未治療の糖尿病患者や糖尿病合併症患者が少しでも減少することにつながればと思う。
この連載では、糖尿病の恐怖、診断方法、合併症、予防と治療法などを紹介していきます。
関連エントリー
- 糖尿病の食事療法:フレンチでおいしくカロリーを減らす方法!
- 糖尿病の食事・主食抜いて1品増やす方法!
- 糖尿病の食事=宅配治療食で“自宅入院”
- 糖尿病の食事・食事療法はできることから始められる!
- 糖尿病の食事・デジカメ利用した食事療法!
- 糖尿病予防には低脂肪食より低炭水化物食がベター
- 糖尿病・・適度の運動が動脈硬化を防ぎます!
- 糖尿病の新治療法か!?マゴット(ウジ)セラピー
- 糖尿病患者に糖尿病壊疽が増加!
- 糖尿病になると動脈硬化性疾患の発症早まる!
- 糖尿病は血管障害を併発しやすいので気をつけろ!
- 漢方薬で劇的に改善した糖尿病神経障害の症例とは?
- 糖尿病の神経障害は自覚症状に注意せよ!
- 糖尿病腎症の初期段階での血糖コントロールの重要性!
- 糖尿病の腎症を発症したら、高額な人工透析が必要だ!
- 糖尿病網膜症を予防するために・・食事療法・運動療法がベスト!
- 糖尿病網膜症、発病年数とともに増加!
- 糖尿病の合併症対策=血糖コントロールが大切
- 糖尿病の問診票分析で興味深い成果が得られた!
- 糖尿病の予防と地域連携ガイドの活用法
- 糖尿病は、血糖コントロールで予防できる!
- 糖尿病と診断されたら、どんな合併症を持っているかの検査が重要!
- 糖尿病の治療が適切かどうかの判断基準とは?
- 糖尿病を示す糖代謝異常の最も有効な検査法は、経口糖負荷試験だ
- 合併症による症状が出てから糖尿病に気付くケース
- 糖尿病の歴史→紀元前1500年のパピルスに記載されていた!
- 糖尿病の合併症の増加と大きな課題とは?
- 糖尿病に気付くきっかけとは?
