C型肝炎の併用療法と健康保険の適用期間の問題
私がC型肝炎で最新の治療を受け始めたのは2005年8月末のこと。来月の検査でC型肝炎ウイルスが検出されなければ、一応、「完治した」とみなされる。
C型肝炎に対する最新の治療法は、毎週1回だけ「ペグ・インターフェロン」の皮下注射を打ちながら、朝夕に「リバビリン」のカプセルを口から飲むもので、「併用療法」と呼ばれている。最後の「ペグ・インターフェロン」注射を終えたのは2006年1月上旬のこと。現在は毎月、C型肝炎ウイルスの有無を通院して検査している。7月までC型肝炎ウイルスが検出されなければ、「完治した」ということになるらしい。
横浜市内の大学病院に駆け込んだのは2004年7月のことだった。C型肝炎はウイルスの型により、「治りにくい型でウイルス量も多い」「治りにくい型でウイルス量が少ない」「治りやすい型で量が多い」「治りやすい型で量が少ない」の4つのタイプに大別されるという。私が感染していたC型肝炎は、「治りにくい型でウイルス量も多い」タイプ。つまり、治療にもっとも手こずるタイプだった。
肝臓の専門医でもある私の担当医師は「ペグ・インターフェロンとリバビリンの併用療法は発熱や脱毛などの副作用も報告されているが、うまくいけばC型肝炎ウイルスを完全に駆除できる」と説明してくれた。この「治りにくい型でウイルス量も多い」タイプのC型肝炎患者に対する併用療法の治療期間は通常全部で48週間。ペグ・インターフェロンもリバビリンも、投与量は体重別に自動的に決定される。
ところが、C型肝炎が悪化していたせいか、私の血小板の数量は健康な人と比べるとその6割程度しか存在していなかった。ペグ・インターフェロンとリバビリンの併用療法には白血球や赤血球、血小板などを減少させる副作用もあり、白血球や赤血球、血小板などの数量が一定の基準以下になれば、治療中断に追い込まれる。そのため、体重別に決まった量の半分だけを投与していくことになった。
C型肝炎治療が始まった当初、私の担当医師は「完治は期待しない方がいい」と何度も念を押していたが、なんと3か月後の検査でC型肝炎ウイルスが陰性化していたのだ!これは14回目のペグ・インターフェロンの皮下注射を受けた後のことだった。それ以来、C型肝炎ウイルスは一度も検出されなかった。
本来なら、48週分の投与を終えた昨年7月から経過観察に入る予定だった。しかし、担当医師は「通常の半分の量しか投与していないので、まだC型肝炎ウイルスが体内に残存している可能性が高い。あと半年ほど投与を続けた方が完治の可能性は高くなる。どうしますか」と聞いてきた。もし治療期間が48週間を超過してしまったら健康保険の適用外になるかもしれず、そうなればC型肝炎の治療続行は難しくなる。
結局、延長期間は24週間に決まった。その間、健康保険の審査が通るかどうか不安もあったが、幸いにも健康保険の適用外の治療にはならなかった。72週間のC型肝炎治療にかかった医療費合計は、入院代も含めると全部で約320万円。期間を延長したので注射の回数こそ1.5倍だったが、薬の量は半分だから、費用は75%で済んだ。それでも、病院などの窓口での支払い額は100万円に近い金額だった。
100万円という金額は、高額療養費制度や医療費控除などで援助される面があるにしても、容易に治療に踏み切れる金額ではない。保健所でC型肝炎のウイルス検査を無料で行っている自治体もあるようだが、検査よりも実際のC型肝炎治療費の金額面の方が大きな問題だ。国などで何らかのC型肝炎治療の助成制度を検討する必要もあるのではないか。
≪保険適用48週まで…厚生労働省原則崩さず≫
C型肝炎の感染者は全国推計で約150万人と言われている。厚生労働省によると、ペグ・インターフェロンとリバビリン併用療法で5万人が治療を受けたという。
48週の治療が必要なC型肝炎では、ウイルスが消える時期によって治療効果が左右される。このため、肝臓の専門医で作る治療標準化研究班では今年、新たに「治療ガイドライン2007」を公表した。補足部分をみると、(1)12週以内に陰性化すれば48週で「完治」を期待する(2)13〜24週で陰性化したら治療期間を72週まで延ばして「完治」を目指す、としている。
ところが、厚生労働省では「各健康保険の審査機関の判断にもよるが、ペグ・インターフェロンとリバビリン併用療法の保険適用期間の基本は48週まで」の原則を崩さず、「ガイドラインは研究結果。拘束力は持たない」との相変わらずのお堅い見解だ。
日本肝臓病患者団体協議会の事務局長は「たとえ治療期間を72週に延ばしたとしても、C型肝炎が完治すれば肝臓ガンにかかる医療費より安上がりのはず。保険適用に格差が生じないようにしてもらいたい」と話しているという。
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