糖尿病・・適度の運動が動脈硬化を防ぎます!
糖尿病患者にみられる心筋梗塞や、脳卒中などの動脈硬化性血管障害の要因には病期、病態に応じて多くの要因が関連している。個々の要因に関する予防、治療法を簡単に説明しよう。
〜高血糖〜
高血糖が、糖尿病の3大合併症である網膜症、腎症、神経障害の要因に重要な役割を果たしていることは、改めて言うまでもないだろう。糖尿病の予備軍(境界型)でも、動脈硬化性血管障害の発病年が糖尿病患者とあまり変わらないという調査成績も報告されている。
また、最近のメタボリックシンドローム(腹部内臓肥満に軽度高脂血症、高血圧、高血糖のうち2項目が合併)の概念からも、空腹時血糖が100mg/dl以下、食後は140mg/dl以下が望ましいとされる。
〜インスリン抵抗性・高インスリン血症〜
インスリン抵抗性と、これに伴うインスリン作用の低下を補うための高インスリン血症は、動脈硬化症の発症要因であることが臨床的、動物実験的にすでに証明されている。
ロンドンで走る2階建てバスの運転手と車掌の心筋梗塞発病率の調査成績があるが、それによると、運転手は車掌よりも心筋梗塞発病率が高い。その理由としては、運転手は体を動かすことなく座っている上、交通渋滞の中を安全運転しなければならないというストレスを抱える環境にある。一方、車掌は乗車券発売のために1階と2階を上下することで、常に身体活動を行っている。この違いが運転手に心筋梗塞の発症が多く、車掌はその予防に役立っていると考えられている。
適度な食事制限と、身体運動の継続は、血糖値を改善する。また、体内のインスリン抵抗性を改善させることも明らかになっており、運動療法を行うことは、2型糖尿病の予防、治療に役立つだけではなく、動脈硬化性病変の予防、治療にも良い結果をもたらす。
〜高脂血症(脂質異常症)〜
身体運動の継続は、中性脂肪を低下させ、HDL(善玉)コレステロールを上昇させるなど、動脈硬化症に予防的に作用する。しかし、LDL(悪玉)コレステロールの低下には、週に20キロ歩行するなどかなりの運動量が必要。効果も限定的で、薬物(スタチン)投与が必要なことが多い。
〜高血圧〜
高血圧は脳卒中の危険因子であり、高血圧を治療することで、脳卒中の発症リスクを大幅に減少させることが国内外の研究データで明らかになっている。
食塩制限に加え、運動の実施は、高血圧にも良い影響をもたらす。高血圧には多くの薬剤があり、必要に応じて医師から投薬を受けなければならない。
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