夏になると出てくる膀胱炎、トイレを我慢するから?
〜質問〜
夏になると再発する膀胱炎。接客業という仕事柄、トイレを我慢しがちだからでしょうか。(神奈川県 40歳 女性)
〜質問に対する答え〜
冷房で体を冷やしたり、疲れがたまっていませんか。膀胱炎は排尿を我慢することとはあまり関係ありません。
膀胱炎は膀胱が炎症を起こす病気で、女性なら生涯に一度はかかるといわれるほどポピュラーな病気です。排尿を我慢したり水分補給が少ないと起こると思われがちですが、実はあまり関係ありません。とはいえ、膀胱を健康に保つには、1日に適量(1リットルから1.5リットル)の水分をとり、排尿を3〜8回するのが理想です。
膀胱炎の大半は細菌感染による急性細菌性膀胱炎です。主な症状は排尿の回数が増える、排尿時に痛む、排尿しても残尿感があるなどで、通常、熱は出ません。泌尿器科、婦人科、内科を受診して尿検査をすれば診断がつき、抗菌薬を処方されます。ただし、薬を飲むだけではなかなか膀胱炎の症状は改善しません。ゆっくり休むことが何より大切です。なぜなら、元気なときは免疫力で細菌を排除できるのですが、疲労やストレスがたまったり、かぜを引いたりして免疫力が低下すると細菌に感染してしまうからです。男性の尿道が約16センチあるのに対し、女性は約5センチと短いため、膀胱に細菌が入りやすいと言えます。膀胱炎が一年に1、2回の発症であれば、重大な病気に発展することはほとんどありません。
間質性膀胱炎に注意
気をつけたいのは、間質性膀胱炎です。1年に3回以上発症し、抗菌薬や頻尿治療剤を飲んでも効果がなく、症状が1週間以上続く場合に疑われます。膀胱炎の症状はあるのに尿検査ではほとんど異常が出ず、疲労やストレス、かぜに加え、月経周期、気温の急激な低下などでも症状が悪化するので「気のせい」と言われて悩んでいる患者さんも多いと思われます。膀胱炎の治療が遅れてしまうこともあるので注意が必要です。原因は膀胱の粘膜の弱さや、膀胱の神経の過敏と言われていますが、はっきりしたことはわかっていません。
膀胱炎の症状が軽い場合は、規則正しい生活を心がけることが症状の改善につながります。調子の悪いときには温かくして休養をとりましょう。抗アレルギー剤や抗うつ剤、漢方薬など様々な方法で治療します。またカフェインやアルコールが入った飲み物、酸っぱいもの、辛いもの、保存料がたくさん入っているものなどは痛みを強くすることがあるので、できるだけ控えるほうがよいでしょう。内服薬で膀胱炎の症状が改善しない場合は、膀胱水圧拡張という手術を行います。いずれも日常は体、とくに下半身を冷やさないことが大切。生ものや冷たいものも食べ過ぎないことです。
ご質問の方も早めに適切な診療を受け、職場では体を冷やさないよう工夫してみてはいかがでしょう。
こんな行動は要注意
生活時間が不規則
体調が悪くても休まない
冷えている自覚があるのに温めない
水分を1日1リットル以下しかとらない
水分を1日2リットル以上とる※
トイレのあと、後ろから前へふく
洗浄器つきトイレを排尿時も使う
セックスの後、排尿しないで寝てしまう
※夏場や運動などで発汗量の多い人は別
≪横浜元町女性医療クリニック院長≫
