人間の体液はどんな味なのか?おいしいのか?
人間は体の3分の2が水で出来ていると言われている。しかし実際には、体内の水の中にはたくさんの栄養分が溶けており、純粋な水ではない。
このことは注射や点滴、手術の際に使う液体を見ればすぐにわかるであろう。人体に導入するために、医療で用いられる液体は、ほどよく調製された食塩水である(もちろん無菌)。正式には、これは生理食塩水と呼ばれ、体液の浸透圧と同じになるようにつくられている。日本薬局方(医薬品に関する品質規格書)では食塩水の濃度は0.9%と決められている。これ以上濃度が高くても低くても、人間はすぐに死んでしまう。もし、水などを血管から注射したら大変なことになる。
ところが、意外なことに医療現場の医者や薬剤師でさえ、毎日使っている生理食塩水がどんな味なのか知らない人がほとんどである。そこで、今回は実際に味を検証してみようという試みに至った。0.9%と具体的な濃度がわかっているということは、実際に台所でもすぐに作ることができるということである。100 mlの水に、0.9 gの食塩を溶かせばいいだけである。
結果は、「ムカつくようにしょっぱい」であった。味噌汁や醤油よりはしょっぱくないが、微妙に塩っぽさがある。後味が悪く、まさにイライラするしょっぱさだ。「汗と似ているのでは?」と予想していたのだが、それと比較しても、少し味が薄い。おそらく汗は水分が多少蒸発するため、塩分が濃縮されたような形になると考えられる。
ちなみに、ポカリスエットなどのスポーツドリンクも、実は同じくらい塩分が含まれていると推測されるが、塩味の感じはしない。これは塩分を、それ以上の甘さ(糖分)で打ち消しているからである。要するに、人間の体液は、スポーツドリンクから糖分を取り去ったような味と考えていただければよいだろう。
*より厳密な議論をすれば、体液には他にもカリウムやアミノ酸などの微量な成分も多数含まれているため、本当の味はもう少しコクがありそうだと考えられる。また、血液はヘモグロビンが非常に多く含まれているため、鉄分の味が勝ってしまうことに注意したい。
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