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糖尿病腎症の初期段階での血糖コントロールの重要性!


尿は、腎臓の糸球体で血液から体の老廃物とともにろ過された後、尿細管で必要な成分が再吸収され、残りが尿として排泄される。

 高血糖が少なくとも5〜10年以上持続すれば、腎臓の糸球体の毛細血管が変化したり、構造が破壊されたりして、尿にタンパク質が混入し始める。また、糸球体血管内の高血圧も病変の進展に大きく関わっている。

 糖尿病網膜症の発病率は、糖尿病の発病年数が長期間になると次第に増加し、糖尿病患者のうち20年を経過した人の約80%が糖尿病網膜症を発病すると予測されている。一方、糖尿病腎症では、腎症になりやすい体質である遺伝素因が深く関係しており、高血糖状態が持続した場合、腎症の遺伝素因を持っている人だけが糖尿病腎症を発病するといわれている。

 しかし、現時点では、誰が腎症の発病遺伝子である遺伝素因を持っているのかどうかの検査方法は存在しないので、血糖コントロールの重要性は他の合併症と同じである。

 アメリカで行われた「糖尿病の合併症とコントロールに関する研究班(DCCT)」や、日本の厚生省(当時)研究班の成績によれば、糖尿病腎症のごく初期からの血糖コントロールの重要性が指摘されており、定期的に糖尿病患者の尿中の微量アルブミンの測定を行い、腎症の早期発見と予防に努め、できる限りの範囲内で血糖コントロールを厳格に行い、腎症を早期の段階にとどめておくことが強調されている。

 次に、高血圧は糖尿病腎症の進行に促進的に作用するので、高血圧の管理を厳格に行い、血圧を130/80mmHg未満に保ち続けることが重要だ。

 糖尿病腎症による高血圧の場合、まず、食塩制限(6グラム以下)など食生活の習慣の改善を行うが、これでも高血圧の改善がみられない場合には、医師と相談し、降圧薬の投与を受ける必要がある。

 降圧薬の中では、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の有効性が判明している。すなわち、アンジオテンシン2は腎臓の糸球体の輸出細動脈(糸球体の出口の動脈)を縮め、糸球体内の血圧を上げるが、ACE阻害薬を投与することにより、アンジオテンシノーゲン2の作用が抑制され、糸球体の輸出細動脈を広げ、糸球体血管内圧を低下させることができるのである。

 糸球体血管内圧が上昇すると、腎症の発症や進展に重要な役割を果たしてしまうが、この上昇を抑制することは腎症の治療につながる。

 食事の面では、タンパク質の摂取制限を行う必要がある。タンパク質は体内で分解される窒素化合物となり、腎臓から排泄されるので、もしも腎機能が低下すればタンパク質を分解できなくなり、高窒素血圧症そして腎不全を引き起こすこととなるため、病状に応じてタンパク質を制限する必要がある。



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