糖尿病網膜症、発病年数とともに増加!
糖尿病網膜症は、腎症、神経障害とともに糖尿病の3大合併症の一つで、糖尿病に特有な合併症であることがわかっている。
糖尿病網膜症は、糖尿病発症から5〜10年経過後に症状が現れ、発病年数とともに次第に増加し、20年経過する頃には約80%の患者が程度の差はあれ、網膜症に罹患(りかん)するとされている。
厚生労働省の調査によれば、糖尿病網膜症により毎年約3500人が失明し、後天性失明の第1位の原因疾患になっている。人が物を見るとき、目の水晶体(カメラのレンズに相当)から、光が眼球内に入り、眼球の内側の壁である網膜の視細胞で感知する(カメラのフィルムに相当)。
視細胞で受けた視覚情報は、視神経を経由して大脳の後ろにある視覚中枢に到達する。なお、眼球内には、ゼラチン状のガラス体が入っており、眼球の形を保ったり、網膜を安定させたりしている。
糖尿病では、網膜の毛細血管の細胞が高血糖のため変化し、血管が「こぶ」状に膨らむ(微小血管瘤(りゅう))ことがある。
また、タンパク質が高血糖のために変化し、血管から血液成分が血管外へ出ることがある。この場合、赤血球がしみ出れば点状、斑(はん)状出血となり、血しょう成分(血液の中の血球以外の水分)が出れば網膜が腫れたり(網膜浮腫(ふしゅ))、白い斑点状の白斑となる。
この段階を単純網膜症と呼ぶ。さらに、病変が進行し、増殖網膜症になれば毛細血管が閉塞(へいそく)し、網膜の一部に血液が流れなくなる(虚血)。
この網膜の虚血を回復させるために新しい血管ができるが、この血管はもろくて破れやすく、ガラス体に出血を起こしたり、出血の回復の過程で網膜が眼球の壁からはがれてしまう「網膜はく離」を引き起こす事態をまねくこともある。
糖尿病網膜症は、初期段階では、自覚症状が全く出ないことが多い。新生血管ができてもほとんど自覚症状はないが、ガラス体に出血が起きて「墨を流したように目の前が真っ暗になった」と、初めて糖尿病網膜症を合併していることに気付く人も少なくない。ガラス体出血、網膜はく離を繰り返せば失明の危険性がいっそう高くなる。
糖尿病網膜症の診断と治療には、糖尿病発症の初期段階から内科医と眼科医との連携プレイが必要になってくる。この場合、定期的に眼科医に通い、視力検査と眼底検査を、さらに詳しく調べるためには蛍光眼底造影が行われる。
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