糖尿病の合併症対策=血糖コントロールが大切
糖尿病の合併症には、インスリン作用が急激に低下することによる糖尿病昏睡(こんすい)などの急性のものと、慢性合併症のものとがある。
1921年にインスリンが発見されるまでは、1型糖尿病(インスリンを分泌するすい臓のランゲルハンス島が破壊され、インスリン分泌が枯渇する)の患者は、糖尿病発症後数年以内に、ほとんど糖尿病昏睡が原因で死亡していたという。
インスリン発見後、80年以上を経過した今日、インスリン治療が広く行われるようになり、糖尿病昏睡死はほとんど消滅し、糖尿病患者の寿命を大幅に延ばすことができるようになった。
その結果、現在では糖尿病腎症、脳卒中、心筋梗塞などの合併症が新たな主要死因になっている。
また、インスリンを多く注射してしまったり、食事の量が少なかったり、運動の量が多かったりすることなどによる低血糖昏睡も存在する。
さらに、糖尿病患者、特に血糖コントロールの状態が良くない患者の場合は、肺炎、肺結核、膀胱(ぼうこう)炎、腎盂(じんう)炎などの感染症にかかりやすく、重症化しやすい傾向があることもわかっている。
中には、糖尿病の合併症である神経障害のため痛みを感じにくい身体になってしまい、単なる切り傷が化膿(かのう)したり、水虫(白癬(はくせん))が悪化し、足の指を切断するという不幸な事例も多くある。
一方、慢性合併症には、糖尿病患者にだけ発症する網膜症、腎症、神経障害(この3つを糖尿病の3大合併症という)、及び脳卒中や心筋梗塞という動脈硬化症も存在している。
糖尿病合併症の予防についてここでは総論的に記述しておくに留めるが、網膜症、腎症、神経障害は、高血糖状態が長期間継続することによって発症する。また、血糖のコントロールが良くなかったり、白血球が細菌を殺す力も低下するので、感染症にもかかりやすい身体になる。
したがって、糖尿病合併症(急性、慢性)の予防するには、血糖のコントロール状態を良好に保つことに尽きるのだ。網膜症、腎症の悪化には、高血圧が関与していることが判明しており、高血圧の管理も行う必要がある。
高血圧の管理は、脳卒中、心筋梗塞など動脈硬化症発症の悪化防止にも有効だ。動脈硬化症に対しては、コレステロール(LDL=悪玉、HDL=善玉)、中性脂肪など、高脂血症対策も重要なのだ。
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