糖尿病は、血糖コントロールで予防できる!
今回は、糖尿病患者の治療が適切に行われているかどうかを判定する方法について解説してみよう。
(1)血糖
糖尿病治療の目標の一つに、糖尿病合併症の発病予防と進行防止がある。
糖尿病患者の血糖値を可能な範囲で正常な数値にする(これを血糖コントロールと言う)ことにより、合併症の発病予防と進行防止ができることが確認されている。
この研究「糖尿病コントロールと合併症研究(DCCT)」では、1型糖尿病患者をインスリン強化療法群(1日3〜4回のインスリンとHbA1c=ヘモグロビンエイワンシー=7%以下)と、通常治療群(1日1〜2回インスリンで、HbA1c19%)の2群に分類して、9年間観察し続けた。
この結果、厳格な血糖コントロールを行うことで、糖尿病の合併症である網膜症、腎症、神経障害の発病と進行防止に有効であることが判明した。また、2型糖尿病患者であっても、強化インスリン療法を実施することで、糖尿病合併症の発病と進行防止ができることを、当時の熊本大学の七里元亮教授グループが証明した。
さらに、「英国糖尿病前向き研究(UKPDS)」は、糖尿病合併症の発病、進行防止には、血糖コントロールだけではなく、血圧コントロールも重要であることを明らかにした。
(2)HbA1c
これは赤血球の血色素(ヘモグロビン)にブドウ糖が結合したもので、過去1〜2か月間の血糖値の平均値を示している。つまり、血糖値は空腹時には低く、食後には高くなるが、その平均値のことである。
日本糖尿病学会では、空腹時の血糖値(mg/dI)は、110未満、食後2時間の血糖値は140未満、HbA1c5.8%未満が望ましい状態(コントロール状態「優」)であるとしている。
また、空腹時の血糖値が160以上、2時間値が220以上、HbA1c8.0%以上という「コントロール不良」の状態が3か月以上継続している患者の場合には、糖尿病専門医への受診を勧めている。
(3)血圧
高血圧(mmHg)の診断基準は、収縮期で140以上、拡張期で90以上(どちらか一方でも高血圧と診断される)となっているが、糖尿病患者の場合、130未満、80未満が望ましいとされている。
(4)血中脂質
血中脂質は動脈硬化の危険因子であり、総コレステロール200mg/dI未満、LDL―コレステロール120mg/未満、中性脂肪150mg/dI未満、HDL―コレステロール40mg/dI以上であることが必要である。
(5)がん検査
日本人の死亡原因の第1位(約30%)は依然として「がん」であり、糖尿病患者を長期間にわたり経過観察するときには、定期的に「がん」検査を実施する。
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