合併症による症状が出てから糖尿病に気付くケース
今回は糖尿病の症状について解説する。糖尿病はインスリン注射を必ず行わなければならない1型糖尿病と、必ずしもそうではなく、徐々に悪化していく2型糖尿病に分類される。
糖尿病の初期、ことに2型糖尿病では、無症状だが、血糖値が高くなるに伴い、いろいろな症状が出てくる。なかには、視力障害などの合併症に基づく症状が発症してはじめて糖尿病が発見されることもある。一方、1型糖尿病では、いきなり昏睡(こんすい)(糖尿病性)が初期症状となる場合がある。
糖尿病は、糖質(炭水化物)をはじめとする栄養素の代謝(利用)に必要なインスリンという体内のホルモン作用が低下する病気だ。体内のインスリン作用が不足し、ブドウ糖が筋肉などで利用できず、血液中にオーバーフローした高血糖を要因とする症状としては、〈1〉多尿(夜間何回もトイレに行く)〈2〉口の渇き(多尿のためだが、飲まないと脱水状態となる。真冬でも氷水がほしい、夜間に水がほしい)〈3〉多飲〈4〉全身けんたい(体がだるい、元気がない)〈5〉体重減少、食欲こう進(たくさん食べるがやせる)――などが挙げられる。
肥満傾向の人で、特に、ダイエットも何もしておらず何でもガツガツ食べる人が、次第にやせてきたら注意が必要である。
一方、1型糖尿病で膵臓(すいぞう)からのインスリン分泌が途絶え、急激に高血糖が進むと、吐き気やおう吐を繰り返し、次第に眠くなり、昏睡状態におちいり、糖尿病昏睡となることがある。
以前、医師の間で糖尿病についての知識が乏しかった時代には、腹痛を訴えて病院に来た患者が虫垂炎と誤診され、無駄な手術が行われた事例も少なくなかった。
厚生労働省の統計データによると、2型糖尿病を発病していても比較的症状が出ないため気づかない未治療の人は、740万人の糖尿病患者のうち約半数を占めていることが明らかになっている。
このような人達の場合、高血糖が5〜10年間持続すれば、目(網膜症)、腎症、神経障害などの糖尿病の合併症が進行してしまい、合併症の症状が出てはじめて糖尿病が発見されることも少なくない。
つまり、神経障害による手足のしびれ、神経痛、インポテンツ、排尿障害、筋委縮(でん部が多い)などを病院で訴えてはじめて自身が糖尿病であることを知らされるのである。
また、糖尿病による合併症としては、網膜症による視力障害(物が見えにくく、もやがかかったようになる)、腎症での浮腫(ふしゅ)が初発症状になることもある以外に、歯周病にも陥りやすい。
もし、こうした症状が出ているのならば、内科医(糖尿病専門医が良い)を受診し、血糖、ヘモグロビンA1c(1〜2か月の平均値)を始めとする糖尿病に関連した検査を受けることがオススメである。
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